夏に入るやいなや夏山の遭難多発

この夏は、秩父の沢で遭難者救助のヘリコプターが墜落し、5人死亡のニュースから始まり、先週から今週にかけては、北海道の山中で立ち往生の中高年がヘリコプターで救助されるというニュースが2件立て続けで出てきている・・・。

秩父の沢では、取材に向かったテレビ局の記者とカメラマンが、沢で滑落し、その後2人死亡というおまけまで出てしまっている・・・。

そういえば、昨年も北アルプス穂高で救助のヘリコプターが墜落している。

人命救助に向かった人が二重遭難に遇うことこそ、もっとも避けられねばならない事にちがいない・・・。ほんとうに痛ましい・・・。

それも、携帯電話一本で救助に向かって行く時代ゆえに、救助に向かい二重遭難された救助隊員の遺族の気持ちは、いたたまれないものがあるはずだ・・・。

古典的な遭難事故を書いて開高健賞を受賞した田澤拓也著「空と山のあいだ」(TBSブリタニカ)を読んだ・・・。

空と山のあいだ―岩木山遭難・大館鳳鳴高生の五日間

空と山のあいだ―岩木山遭難・大館鳳鳴高生の五日間

青森県岩木山で遭難した大館鳳鳴高山岳部の遭難にからみ、それぞれの生涯をドキュメントで取材した作品だ・・・。

時代は少し遡り、純粋無垢な高校生の遭難を取材しているので、痛ましい事は痛ましいが、生きるという事と生きている裏側に潜む簡単すぎる死を描いて余りある・・・。

太郎山でもそうだが、事故に遭うのは一瞬の間で事故になり、その後、事故に遇われた方が、ずーッとその事故を引きずりながら、その後を生きていく事になるのは、他の山でのそれとまったく同じだ・・・。

あれー、こんなところでという場所で、以外と事故は発生し、死んだり、大怪我を負ってしまっている・・・。
意外だが、我々の気持ちの中にこそ、常に死は潜んでいるとも言えるような気がする・・・。