太郎山、−1℃再び寒の戻り

今朝の太郎山の稜線は、虚空蔵山への尾根筋(坂城側)が霧氷で白くなり、白い筋がくっきりと入っていて、そのコントラストが妙にきれいだった。今まで見た事がない、珍しい景色だった。

裏参道からの眺めは、表側から見た眺めよりも、きっと、もっと良かったかもしれない・・・。表側の尾根筋にも一本白い筋が見えたのは、昨日からの太郎山名物の「逆さ霧」の仕業だろう・・・。

酒井さん、布施さんと3人で、いつものようにお茶を飲む。いい色をした「奈良漬」を、お茶分けに、酒井さんが持ってきてくれた・・・。鼈甲色の3年物だそうだ・・・。

一番上のお嬢さんが東京工業大学の教授とご結婚なさっていて、下のお嬢さんが、真田町の本原に嫁ぎ、八十二銀行に、二人で、「共稼ぎ」だそうだ・・・。下のお嬢さんのほうが、お金の使い方が荒いとの事。かたや、上の方は、専業主婦で、節約を身に着けているとの事。必ずしも、共稼ぎがいいとは限らないとの酒井さんの弁・・・。

気温が低く、頂上は白いものがちらほら舞っていた。尾根筋は、北側から吹き上げてくる風が、かなり冷たかった・・・。今日から2〜3日また冬戻りだ。

太郎山に裏参道から登ってくる土屋さんのお話を、3日くらい前に聴いてから、何故か重苦しいものが心のどこかにあり、それが抜けないでいる・・・。
土屋さんは、今、82歳、岩下さんが84歳、同じくらいの年齢なのだが、両者を比較して、年をとって、自分のことだけ考えて、生きていられるということがどれだけ幸せな事なのかつくづく分かったような気がする・・・。

重い荷物を一生背負い続けて生きている姿が、土屋さんの「うしろ姿」からは、感じられる・・・。
「俺は100歳まで、この太郎山に登り続けるんだ・・・」という確信の裏付けを聞いてから、何故か寂しいものが自分の心のどこかに、ずーっとある。 体の不自由な子供を抱えて、子供より先に死ぬに死ねない親のせつない「決心」を、どこかに感じた・・・。