太郎山頂上、−4℃積雪3cm辺り一面雪景色

太郎山の中腹から上部は、積雪により、完全に雪景色となった。
この調子だと、まだ、当分の間、この山では、雪景色を見ることが出来るだろう。
山の稜線沿いは、北側からの吹き降ろしの風が、ゴーゴーと雪煙を上げていた・・・。

今朝は、この上田盆地の周囲の山々は、ほとんど冠雪して、真っ白だ・・・。
天気予報では、明日からは、温度が上がり、春らしい陽気になるような事を言っていたが、果たして本当だろうか?もう、近所の、桜の木は、早くも花を付け始めてきたのだが・・・。

明日は、まなの入学式だ・・・。昨日は、みちの入社式だった・・・。

情報なき国家の悲劇 大本営参謀の情報戦記 (文春文庫)

情報なき国家の悲劇 大本営参謀の情報戦記 (文春文庫)

ここのところ、堀 栄三著「大本営参謀の情報戦記」(文春文庫)を、読んでいる。
戦闘員一人一人が命を争った戦争の各局面について、おもしろいように日本のダメさ加減が書かれている。
何が戦争の勝敗を分けるかが、アメリカには、良く理解出来ていて、日本の軍部には、ロシアとの戦争以来の海軍と陸軍の戦法からいま一歩抜け出ていなかったという事実が戦略の失敗となったようだ。

また、アメリカに比べ「情報量」と「情報分析」の点で、いかに、日本がお粗末だったかという事も、全編に渡り書かれている・・・。さすがに、元大本営の情報参謀らしい・・・。

日本が、第二次世界大戦に突き進む、何十年も前から、アメリカは、日本についての戦略的情報を収集しており、物量的に日本を圧倒する以前の問題として、日本側の情報を、丹念に収集し、読み取り、分析する能力面で、アメリカは、既に日本より、圧倒的優位に立っていた・・・。

いかんせん、当時の日本の軍部(特に、大本営作戦本部)は、この「情報の収集」に時間をかける事の重要さと、「情報分析」の大事さ、及び、太平洋南方諸島に於ける「制空権」についての認識が、アメリカの比ではなかった。
堀栄三に言わせれば、戦争に負けて、当然の日本だった・・・。

堀栄三自身が、戦時中の鹿屋基地(鹿児島県、特攻隊の前進基地として有名)の現場取材を通して、「台湾沖日米空中戦」についての大本営発表のニュースソースのいい加減さは、驚くほどだったというような事を書いている。

堀自身が大本営に、鹿屋の現場から流した、ほぼ正確な情報は、一切握りつぶされてしまい、「君は悲観的な考えを捨てなさい・・・」とまで、言われたという事が書かれている・・・。

大本営は、誇張された架空の戦勝数字を発表し、この時点で、大本営発表というものは、竹槍部隊の戦意高揚のためのプロパガンダとなってしまっていたようだ・・・。
これを、そのまま鵜呑みにし、アメリカに勝っているという情報を持たされてしまった多くの日本国民は、これにだまされて、無残にも、命を捨てたり、無駄な努力もしてしまったようだ・・・。

いくら、戦争の国威発揚の為とは、いっても、これはひどすぎたと思う・・・。パチンコ屋さんの軍艦マーチではないのだから、ある程度は、戦況についての正確な情報を流すという責任は、軍部にもあったはずだ・・・。

流された情報を、そのまま鵜呑みにして、自分も含め、無意味かつ貴重な幾多の犠牲を払うか・・・、それを一旦、疑ってかかるか、今のわれわれのマスコミの「官営情報」垂れ流しに対応する「すべ」も、そこにあるような気がする・・・。